昔はさらし袋での手作りが主流でしたが、生産性を優先し機械化が
進み、今ではほとんど行われなくなりました。
寸胴に冷水と魚の身を入れ余分な油を数回濯いだ後、さらし袋に
入れ、人の力でゆっくりと圧力をかけ搾っていきます。
これによりきめ細やかな舌触りが生まれます。
つなぎ
井上の蒲鉾はんぺんは芋や卵など、すり身を固めるための余分な
つなぎを使用しておりません。
塩と熱だけど歯ごたえを生み出すには、素材と向き合い魚の状態を
見極めごまかしのきかない塩加減が必要となります。
手取り
その身は堅く、包丁で延ばすことすら容易ではありません。
空気を抜き熱で形が歪まないように入れるには、修練と年月を
要します。
仕似せ
日々何か特別な事をしているわけではありません。創業から伝わる
製法を守り続けているだけです。 人の手で捌き、濯ぎ、搾り、
型に取る。大変な労力と手間をかけてもその一つ一つは
ほんのわずかな味の違いを作ることしかできません。しかし、
それを積み重ねることが大磯井上の味を作ると信じています。